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研究内容

磁気マニピュレータ -Magnetic manipulator-

近年の月面探査において,月面活動の際に発生するルナダストと呼ばれる月土壌粒子など,宇宙に存在する微粒子の調査が行われています.これらの分野では,微粒子のサンプルを確保するために,数 umオーダの微小粒子を個別にハンドリングする技術が必要とされています.そこで磁性マニピュレータ班では,微小な粒子を一粒ずつ操作できる磁性マニピュレータの開発を目指します.

■ 機構概要図

軟磁性体である純鉄にエナメル線を巻きつけ,その先端部に化学研磨を施した純鉄のワイヤー (図2) を設置することで,単極子マニピュレータとしました (図1) .マニピュレータのエナメル線に直流電流を印加することで,電磁誘導によりマニピュレータ先端部に局所的な磁場を発生させ粒子を捕捉することができます.また,付着力の影響によって粒子の自重のみによる分離が困難です.そこで,ルナダストを配置しているアクリル平板の下の平板電極と,マニピュレータ間に電圧を印加して,静電力によって粒子を分離させます.


図1 ルナダストのハンドリング機構

昨年度までの機構では,粒径40 umより小さい粒子の捕捉・分離は困難でした.今年度はこの機構を用いて,粒径5 umの粒子の捕捉・分離に成功しました.その様子を図3に示します.現在は捕捉・分離の際の力学系を考え,粒子に働く力を求めています.

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図2 マニピュレータ先端部のSEM写真 粒子の捕捉・分離 (粒径:5 um)
(wmv形式 1.29 MB)

更新日: 2012/05/14 15:18:00