English / Japanese

研究内容

DEVELOP - Single-Component Magnetic班

我々の班では,複写機やレーザプリンタの中でも白黒印刷に用いられる磁性一成分現像方式について高画質化のための研究を行っています.この現像システムでは,磁気力により現像スリーブ上に付着した磁性トナーが,感光体付近へと搬送された際に静電気力によって感光体へと飛翔し,顕像を形成します.(図1)磁性一成分現像方式では,このように電場・磁場・付着といった多くの物理現象が関わり,現像部でのトナーの挙動を把握する ことが困難なため,我々は模擬装置による実験と数値計算の両面からの検証を行っています. 


図1 磁性一成分現像方式の原理

■ 高速度カメラ撮影による現像場の可視化

模擬現像装置(図2)による現像の様子を高速度カメラで撮影し,トナー挙動を観察しました.トナーがチェーンを形成して現像スリーブから模擬感光体に飛翔する様子が見られます.(動画1)

<br />再生するにはプラグインが必要です。
図2  模擬現像装置 動画1(mpg形式 1.67 MB)
■ 数値計算によるトナー挙動のシミュレーション

現像プロセスにおけるトナー挙動のシミュレーションを個別要素法を用いて行っています.(動画2)個別要素法は,粒子個々の運動方程式を記述し,個々の粒子運動を追跡することで粒子群全体の挙動を明らかにする離散的手法です.また運動方程式の支配力となる静電気力,磁気力を求めるための現像場の電磁界解析を併せて行っています.(図3) 現在,数値計算によるトナー挙動のシミュレーションは,高速度カメラにより撮影した結果と比較して定性的な一致が確認できています.今後は,実際のトナー挙動との整合性をより高めるために定量的な一致を目指していきます.

<br />再生するにはプラグインが必要です。
動画2 (mpg形式 2.12 MB)  図3  現像場における電界計算

更新日: 2012/05/14 15:18:00