静電斜毛機構
 マイクロマシンにおいて小型でかつ多機能動作が可能な機構の考案が必要とされている.動力源として静電力を用いた場合,3次元的な構造をもつコイルを必要としないので,小さくても加工がしやすいことや,寸法が小さくなるにつれて体積あたりの推力が増大するという利点がある.そこで静電力を駆動源とし,斜毛シート (針状繊維が斜めに敷き詰められたもの) を用いたリニア駆動機構,回転駆動機構を提案する.
 図1はリニア駆動機構の様子 (左) と駆動原理 (右) である.可動子は交流電界により上下に振動し,斜毛シートの摩擦力の異方性により針状繊維の傾きと逆の方向へ可動子を動かすことが可能である.図2は回転駆動機構の様子(左)と駆動原理(右)である.これはリニア駆動機構の駆動原理を応用し回転させたものである.実験の結果,速度が最大となる周波数域の存在や,印加電圧と速度に直線関係があることが示された.
   
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図1 リニア駆動機構

  
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図2 回転駆動機構
 マイクロマシンの駆動力として斜毛機構を使用したいと考えているので,今後はリソグラフィーによって作成して小型化していくと同時に外部情報をフィードバックして自己意志によって駆動するマイクロロボットを考案していく予定である.

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