Inkjet -静電インクジェット現象を利用した有機薄膜太陽電池のマイクロ成膜-
研究背景
近年、資源の枯渇や先日の震災による原子力の影響のため枯渇性エネルギーから安全で無尽蔵な資源を利用した再生可能エネルギーに注目が集まっています。そこで我々は,静電インクジェット現象の過去の研究結果を生かせると考え、有機薄膜太陽電池に着目しました。静電インクジェット現象とは、液滴で満たされたチューブと金属電極間に電圧を印加することにより、微小かつ均一な液滴を鉛直下方に吐出できる技術です。また,我々が塗布対象とする有機薄膜太陽電池は太陽光側からみてガラス基盤,透明電極層,有機層,金属電極層の構造となります.現在,有機薄膜太陽電池の成膜法はスピンコート法が主流となっていますが,有機層とITO透明電極は数nmと非常に薄膜であるため、膜厚に比べ大量の廃液が出てしまうという問題が生じてしまいます。そこで本研究では、静電インクジェット現象を利用することで上記のような問題点を解決できるだけでなく、より一層の低コスト化を図ることが期待できます。

静電インクジェットの概要
静電インクジェットの概要

研究内容
ノズル先端から吐出された液滴は,液滴内の電荷反発により生じ,細かく分裂しながら拡散します.これを利用して今後は有機層単層でなくp層とn層の溶液を混ぜた混合層を塗布することにより、起電力を得ることを考えています。

研究概要書