Wide Cleaner
研究背景
2011年3月11日に発生した東日本大震災後,太陽光発電が再注目されています.各国でも,二酸化炭素削減の観点から発電所の建設が予定されています.大規模な太陽発電を日射量の多い砂漠地帯で行うメガソーラーシステムは,今後のエネルギー源として特に期待されています.

メガソーラーシステム
砂漠での大規模な太陽光発電

しかしながら砂漠の発電では,砂が風によって舞い上がり太陽電池モジュール上に堆積することで発電量が低下することが問題視されています.現在は人の手でクリーニングしており,自動でクリーニングできる技術が必要とされています.そこでWide Cleaner班では静電力を利用して砂をクリーニングする研究を行っています.
研究内容
太陽電池モジュールは表面が厚さ3 mm程度のガラスで覆われており,この部分に細い導線を埋め込み,位相のずれた交流電圧を印加します.すると表面に電界が形成され,モジュール上の砂をクーロン力によりクリーニングすることが可能です.

クリーニング原理
クリーニング原理

下記のパネル左半分はこのシステムを搭載しており,右半分はしていないものです.電極ピッチ7 mm,印加電圧6 kVp-p,印加周波数1 Hzの条件でクリーニング後には太陽電池の出力は8割近くまで回復します.
また,Wide Cleaner班では実験と数値計算の両方の観点から静電クリーニングのメカニズムを解明しています.砂を剛体球としてモデル化し,個別要素法(DEM)を用いて計算しています.

今後の展望
カタール砂漠でのシステム実用化を目標に、システム可動における最適条件下を検討し、現地の砂に対応したシステムの開発をおこなっています.
KeyWord
Electrostatic Actuator, Environmental Engineering, Electrical Engineering, Electrostatics, Solar Panels
研究概要書